『宇宙船レッド・ドワーフ号』の「カレーが変えた人類の歴史」というエピソードにおける
歴史改変への収拾の付け方が凄かった。
主人公リスターたちは、1963年のアメリカにタイムトラベルした際、ふとしたはずみで
オズワルドをビルから転落死させたことによって図らずもケネディ暗殺を阻止してしまったため、
歴史が変わり、アメリカは荒廃して、ソ連が宇宙開発をリードするようになる。
その結果、未来にレッド・ドワーフ号やスターバグも存在しなくなり、リスターたちは
帰れなくなってしまう。
そのため、再び1963年へ行ってオズワルドにケネディを暗殺させようと奮闘するが、
裏目に出て失敗し、事態は益々混迷の度合いを深めてしまう。
頭を抱えて「あの芝生の丘から誰かが狙撃してくれれば最高なのに…」とつぶやいた瞬間、
妙案を思いついたリスターは、暗殺されずに生き延びたケネディがマフィアの愛人と交際
した件で逮捕された1965年に行き、護送車の中のケネディの前に現れる。
ケネディは「国民を地獄に突き落としてしまった」と罪悪感に苛まれていたが、リスターは、
「今からでも遅くない」と、ある提案を持ちかける。
それは、「ケネディ本人が1963年に戻って第二の狙撃犯になる」という事だった。
「自分達の現実では、ここはアイドル・ワイルド空港ではなく“JFK空港”と呼ばれており、
JFKは自由の象徴で、ヒーローとして歴史に名を残している」とケネディを説得するリスター。
それを聞いたケネディは「国が自分に何をしてくれるかではなく、自分が国のために何ができるかだ」
とつぶやき、リスターの提案を受け入れる。
リスターと共に1963年に戻ったケネディは、芝生の丘の上からパレード中の自分を狙撃する。
ついに暗殺は成功し、1965年から来たケネディも、生まれ変わるチャンスを与えてくれたことを
リスターたちに感謝しながら消滅する。
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